打錠サプリメントOEM製造

打錠とは?

打錠

打錠とは、サプリメントの中でもスタンダードな形状のものです。錠剤とも呼ばれます。小指の先ほどの大きさのものから、大きなタブレット状のものまで、さまざまなサイズに加工できます。また、形状は円形だけでなく、ラグビーボールのような楕円形のものや、三角形や五角形、六角形のものなど、さまざまです。

打錠の対応成分

粉末になっていれば、ほぼ何でも対応可能です。液体のものでも、スプレードライ製法やフリーズドライ製法などの加工法を用いて粉末にすれば打錠にできる可能性があります。しかし、粉末であっても油分が多いものは打錠にできない場合があります。

スプレードライ製法

スプレードライ製法は「噴霧乾燥」と言い、液体を乾燥粉末にする技術になります。具体的には、液体の原料を熱風中に噴霧して瞬時に水分を蒸発させて乾燥した粉末を作ります。

粉末にしづらい成分は、デキストリンや米粉などの添加物を加えて攪拌し、原料に均一に分散した状態でスプレードライ製法を行うことで、添加物も入りますが、液体原料の乾燥粉末ができます。

スプレードライ製法は、機械の構造が非常にシンプルなため大量生産にも向いています。

スプレードライ製法のメリット

スプレードライ製法のメリットとしては、製品のロスが少なく、コストを安価に抑えられます。粉末の粒子が小さく、打錠性が良い、水などに溶けやすいなどの特性があります。

スプレードライ製法のデメリット

スプレードライ製法は原料を高温で噴霧するため、熱による成分の変性や減量、風味や香りが飛びやすいなどのデメリットがあります。

フリーズドライ製法

フリーズドライは「真空凍結乾燥」と言い、液体を乾燥粉末にする技術になります。具体的には、水分を含んだ個体または液体の原料を、マイナス30 ℃程度で急速に凍結させます。減圧して真空状態で水分を気体にさせて水分を飛ばし、乾燥させる方法です。大乗にする場合はさらに粉砕して乾燥した粉末を作ります。

フリーズドライ製法のメリット

食品中の水分だけを簡単に取り除くことができ、乾燥させることができます。熱を加えずに製造できるため、成分の変性が起きにくく、ビタミンやポリフェノールなどの有効成分が損なわれにくいのが特徴です。さらに、香りや風味も残りやすくなります。

フリーズドライ製法のデメリット

製造に手間がかかるので、スプレードライ製法よりもコストが高くなります。

打錠のメリット

打錠メリットは、カプセルなどの他の剤形に比べて安価にできることです。

また、ドリンク型の液体サプリメントと比べると、打錠を摂取すると体内で徐々に崩壊して消化吸収されていくので、効果が長持ちする場合が多いです。

打錠の形状やサイズは、いろいろなものが製造できることもメリットです。大きな粒だと「チュアブル」で、舐めて食べるタイプのサプリメントも製造可能です。

チュアブルですと、香料や甘味料でおいしく仕上げることができる場合があります。

打錠では、原料の水分量を下げて製造するので、保存料を使わなくて済むというメリットもあります。

「どのような成分が打錠に向いていますか?」とよく聞かれますが、粉末になっていればほぼ何でも対応可能だということも、大きなメリットです。

打錠のデメリット

打錠では、製造工程でどうしても熱や圧力がかかるので、それによって成分が変性してしまうことがあります。熱や圧力によって変性してしまう成分は不向きであることが、1つ目のデメリットです。打錠圧力で壊れる成分はほとんどありませんが、一部の特殊な成分は壊れることがあります。熱については、造粒した後に成分を入れることで、熱の問題はある程度解決できます。

また、主原料によっては、原料の味や臭いの影響を受けやすいこともデメリットです。カプセルであれば、味や臭いを感じる前に飲み込むことができるためです。味や臭いを解決したい場合は、シェラックや糖衣などのコーティングの工程が増えてしまい、どうしてもコストが割高になってしまいます。

打錠では、固めるための賦形剤が必要なので、サプリメント1粒当たりの成分の割合が少なくなってしまいます。そのため、打錠のサプリメントを摂取する人は、場合によっては1回の摂取量が多くなるかもしれません。

デメリットとして知っておく重要なことは、打錠のサプリメントは、吸湿したら変色したり、菌が増殖したりする可能性があることです。製造工程で極力水分量を少なくして打錠し、製造された製品は、吸湿しにくいようにシリカゲルなどの防湿剤といっしょに容器に入れます。容器の中で最も吸湿しにくいものは、アルミチャック袋、三方シール、スティックです。

打錠のサイズ

ペレット状(100mg程度)といった小さなものから、大きなもの(チュアブル)まであります。一般的には、重さ250mg~350mg、直径8mmか9mmのものが用いられます。

粒が小さなものは、カルシウムなどの硬いものに向いています。小さなものは、飲み込むことが容易ですが、1粒当たりの摂取できる成分量が少なくなるため、たくさん食べないといけません。

打錠の製造工程

打錠の製造工程では、次のように行われます。

1.処方

打錠のサプリメントを製造するために、お客様のご事情やご要望を伺い、それによって処方を組みます。処方は、「どの有効成分をどれだけ入れたいか。」や「どういった効果があるものが欲しいか。」などによって内容が異なってきます。

例えば、「プラセンタのサプリメントを製造したい」や「美肌のサプリメントを作りたい」というご要望のお客様であれば、すでにそのようなサプリメントは市場に多数出回っているため、差別化を考えることから始めます。

また、すでに使用したい原料が決まっている場合があります。原料によって「一般市場では、サプリメント1回当たりの摂取量にこの量の成分をいれることが基準だから、それ以上を入れて欲しい」という内容であったり、効果が期待できる成分量を単体もしくは複合で入れたりするご要望があります。

2.粒数

処方する有効成分の量が決まったら、次は打錠で製造する粒数を決めます。粒数は1日の摂取量によって異なります。

打錠の製造は、最低のミニマムロットが原材料の重量で50kgです。量が多い場合には、3,000kgといった材料を打錠することもあります。この原材料の重量と打錠1粒当たりの大きさによって、製造する粒数が決まります。

打錠の製造では、処方に賦形剤(ぶけいざい)が入ります。賦形剤とは、結晶セルロースやでんぷん、乳糖などの粒を固める成分のことです。

もし、打錠を製造するためのミニマムロットに達しない場合には、賦形剤の量を増やして調整します。

なお、打錠が円形でない場合や固まりにくい原料を用いる場合は、賦形剤の割合を多くします。剤形が円形でない場合は、打錠圧力(打圧)のかかり方が均等でないため、固まりにくいためです。打錠で固まりにくい原料としては、油分や樹脂エキスがあります。

3.試作

次に、打錠の試作を作ります。打錠の試作品を作ることで

  1. 硬さ(きちんと固まるか)
  2. イメージ通りの味になっているか
  3. イメージ通りの臭いなのか

これらに問題があれば作り直すことになります。試作品で納得がいくものができたら、お客様に最終の確認をしていただきます。

サプリメントの臭いについてですが、臭いがあれば嫌がられる傾向にありますが、お客様によっては「臭いがあると効果がありそうで良い」とお考えの人もいます。

この試作品でサプリメントの効果を確認するお客様もいます。

ちなみに、試作されたサプリメントは当社社員が4~5倍程度の量を一度に摂取し、胃に負担がかからないか、体に異常が起きないかを確認しています。

4.原料の調達

試作品をお客様に確認していただき、問題がなければ、本製品を製造るために、すべての原料を発注します。

5.造粒

製造する行程は、①秤量(ひょうりょう)→②混合/造粒→③打錠→④コーティング→⑤検査→⑥充填/包装となります。

①秤量

サプリメントを製造するための原料が入荷してきてすべてそろったら、原料を処方通りの分量になるように、原料1つずつ計量します。

 ②混合と造粒

秤量された原料は、混合室にある混合の機械(V字混合機)に入れて、回転させながら均一に混ぜ合わせます。

粉末の状態から打錠性をよくするために顆粒の状態に加工します。これを造粒といいます。原料に精製水などの結合剤を加え、高速で混ぜ合わせてます。その後流動層乾燥機を使用して、顆粒を乾燥させます。

混合された原料で、有効成分の量が賦形剤の量と比べて少ないものは、造粒せずにそのまま打錠できる場合があります。。このように、造粒せずに打錠ができるものを「直打(ちょくだ)」と呼びます。直打が可能な場合は造粒の行程を省きます。

また、熱に弱い成分がある場合は、その成分は造粒をしないで、造粒が済んだ状態の混合原料に加えて、再度混合機にて均一に混ぜ合わせます。

③打錠

均一に混ぜられた原料の粒子を揃えるためにふるいに掛けます。ふるいに掛けられ、混ざり方も粒子も揃ったサプリメントの成分を、粒にするために打錠機で成型します。この打錠機は「臼」部分にサプリメントの成分を入れて「杵」部分で圧を掛けて粒を作ります。杵で「打つ」作業をして錠剤をつくるため、「打錠」と呼ばれています。この臼に粉を入れて杵で打ち、粒を作る打錠機は高速で回転していて、次から次へと成型された粒を作り続けます。成型された粒の形や重さを計り、指定通りに粒ができていたら、量産に入ります。打錠機から出てきた粒は、いったんザルのような容器で受け止められ、目視でスティッキングが起きていないかを確認してから、保管用の容器に移されます。

④コーティング

コーティングが必要な製品はコーティング機に入れられコーティングされます。コーティングが不要な製品の場合はこの行程は省かれます。

⑤検査

粒の重量を計測し、誤差の範囲内のものだけが製品になります。また、目視にて検査員が検査し、異物の混入や変色、成型の崩れなどを確認し、検査に合格した粒だけがサプリメントの製品になるために充填/包装の行程に移動します。

⑥充填/包装

検査に合格した打錠の粒を指定の容器に指定の粒数を充填します。充填された製品は計量されて、指定の範囲外のものは製造のラインから外され、指定の範囲内の重量になっている正しいもののみが製品化されます。

輸送用の段ボールに箱詰めされる前に、ひと品ずつ目視で汚れや傷などの外観を確認する検品作業をしながら箱詰めしていきます。

指定の量を段ボール箱に詰めしたものをテープで綴じて保管されます。

秤量から充填/包装までのこれらの作業は、他の製品と混同することを防ぐために、かならず1行程1アイテムのものしか扱うことはしていません。

杵離れとスティッキング

打錠をするときに打錠された粒が型から剥がれ落ちない、つまり杵離れ(きねばなれ)が悪いと、粒の一部が型に残ります。この残留物が残ることをスティッキングと呼びます。

スティッキングがあると、次の粒に凹みができてしまいます。粒に凹みができてしまうと、粒の量が少なくなるので、「成分量が規定量入っていない」という問題が発生しかねません。

スティッキングがあると、機械をストップして掃除をして作り直します。打錠をする前に、流動性や結着、すべりの悪さなどが、処方と造粒の過程で原因が決まる。

打錠の吸収

打錠のサプリメントを摂取すると、体内で徐々に吸収されることが多いです。例えば、競技中のマラソンランナーの場合は、即エネルギーが欲しいので打錠は合いません。ドリンクと打錠では、成分の吸収率は変わりませんが、体内で溶けて吸収される速度が異なります。

この速度は加工方法である程度調整ができます。加工によっては、胃で溶けないで腸で溶けるようにできます。これを「腸溶(ちょうよう)」といいます。また、腸で溶ける錠剤のことを「腸溶錠」といいます。

腸溶の主な方法は、錠剤をコーティングする方法や、pHが下がると固まりpHが上がると溶ける仕組みを用いる方法、つまり胃酸で固まり腸内で溶解する仕組みを用いる方法があります。

打錠の注意点

生菌を用いる場合の注意点

乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌、酪酸菌などの生菌を打錠するものは、打錠をするメーカーに断られるケースがあります。機械に菌が残ってしまう恐れがあるためです。とは言え、すぐに殺菌できる菌であれば受け入れてくれることが多いです。

菌のメーカーさんも研究されていて、最近のものであれば、打錠の中で何年か生きている(寝ている)菌もあります。

色がついた原料を用いる場合の注意点

リコピンやアスタキサンチンなどのカロテノイドは色がついているため、打錠したときにまだら模様になってしまうことがあります。これは、原料を均一に混ぜ合わせても発生する現象です。

化学反応しやすい成分同士を入れる場合の注意点

鉄とビタミンCなどように、化学反応しやすい成分同士を打錠すると、色が変化し、想定していた見た目にならない場合があります。対策としては、化学反応しやすい成分を別々に打錠して合わせたり、コーティングされた成分を使用したり、着色料を入れたりします。

主な添加物

打錠では、次のような添加物を原料に加えます。

  • 賦形剤(結晶セルロース、マルチトール(還元麦芽糖)、乳糖)
  • 粘着剤(顆粒の粒になりやすい成分、でんぷん、グァーガム)
  • 滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖エステル、グリセリンエステル、菜種硬化油)
  • 吸湿を防止するための二酸化ケイ素
  • 香料
  • 甘味料
  • 着色料

打錠の保存方法

高温多湿を避けて常温で保存します。容器の蓋や袋のアルミチャックはしっかり締めてください。

注意点ですが、冷蔵庫に保管することは、打錠は向いていません。冷えた打錠を冷蔵庫から出してくると、打錠が結露して水分量が増えてしまうためです。

打錠のサプリメントOEM製造やコンサルティングなら、豊富なノウハウや実績のあるプラネットにお任せください。

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