鉄分不足による貧血に注意
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ほうれん草+ゆで卵
人間は、鉄分が不足すると貧血を起こします。私たち日本人は一般的に鉄分不足と言われ、貧血を起こしやすい潜在性鉄欠乏症の人が女性で30%、男性で10%はいるそうです。
ほうれん草には、この鉄分が100g中2.0mg含まれています。成人男性が一日に必要とする鉄分は6.0~6.5mg、月経のある成人女性は8.5~9.0mgとされていますから、数字の上だけで言えば、ほうれん草100gで一日の必要摂取量の4分の1まかなうことができることになります。
ところが実際には、かなりの高率で潜在性鉄欠乏症の人がいます。これはとりもなおさず食べ合わせが悪い何よりの証拠と言えましょう。
鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。人体にとっては、どちらも必要です。ヘム鉄はおもに動物性食品に含まれ吸収が容易ですが、非ヘム鉄は無機鉄とも言われ、おもに植物性食品に含まれていて、非ヘム鉄の吸収をよくするためにはタンパク質やビタミンCの手助けが必要です。
ほうれん草に多く含まれるのがこの非ヘム鉄なので、タンパク質やビタミンCを補給して吸収をよくしなければなりません。ほうれん草自体にもビタミンCは100g当たり35mg含まれています。ゆでることによって半分はゆで汁の中に放出されますが、それでも19mgはあります。おすすめなのは<ほうれん草+イワシの丸干し>。ほうれん草からはビタミンCをイワシの丸干しからはタンパク質の力を借ります。
この際、イワシの丸干しは丸ごとかじるのが効果的です。ビタミンCやタンパク質、ミネラルなどは頭の部分に最もたくさん集まっているからです。昔の日本人に貧血が今よりずっと少なかったのは、魚を丸干しにして頭からコリコリ食べていたおかげかもしれません。
一方、悪い食べ合わせは<ほうれん草+ゆで卵>。卵をゆでると独特のにおいがしますね。あれは含硫アミノ酸(硫黄分を含むアミノ酸)が熱分解して硫化水素になったためで、硫化水素はほうれん草の非ヘムと結合してしまい、せっかくの非ヘム鉄がゼロということになってしまいます。ほうれん草と卵を食べ合わせるときは、卵はゆでないでスクランブルド・エッグにするか落とし卵にするかしてください。
食べ合わせの知恵
<ほうれん草+ゴマ>
ほうれん草に含まれるビタミンCは、ビタミンEを一緒にとると相乗効果があります。ビタミンEの多いゴマを一緒にとるのがおすすめです。
出典:体にいいつもりが逆効果!やってはいけない「食べ合わせ」
著者: 栄養学博士 白鳥早奈英
発行者:青春出版社