ヨウ素の吸収を妨げる食べ合わせ

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キャベツ+ワカメ -阻害成分が働き始める

ヨウ素はほとんどが甲状腺に存在し、工場制ホルモンの成分として重要な役割を担っています。甲状腺ホルモンは交感神経を刺激し、タンパク質、脂質、糖質の代謝を促進し、必要時に呼吸を速め、心臓の機能を高める働きがあります。ヨウ素の摂取が不足すると、甲状腺ホルモンの生成ができなくなります。

ヨウ素の吸収を阻害する食材としては、キャベツ、トウモロコシ、タケノコ、サツマイモ、大豆などがあり、甲状腺へのヨウ素の蓄積を阻害し、甲状腺腫を引き起こす成分が含まれています。でも通常食べる程度では問題ありませんので、あまり心配する必要はありません。あえて挙げるとすれば、キャベツとワカメの食べ合わせでしょうか。

キャベツは、近年抗ガン作用が高いと認められています。イソチオシアネートというアブラナ科特有の物質が、発ガン物質の働きを抑え、細胞がガン化するのを抑制するのです。また、キャベツは白血球が作る腫瘍壊死因子を増やし、ウィルスやガン細胞を死滅させることがわかりました。その免疫力は医薬品並みともいわれています。なお、これらの効果を期待する場合、よくかんで食べることが大切だそうです。

特筆すべきは、ビタミンKとビタミンUが多いことです。あまり聞き慣れない栄養素ですが、ビタミンUは胃壁を丈夫にし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防に効果的です。とくに飲酒による胃の荒れを防いだり、肝機能も向上させるので、アルコールが欠かせない人にはぜひキャベツがオススメです。ビタミンUはキャベツから発見されたビタミンで、似た名前の胃腸薬は、このビタミンUの効果を狙ったものなのです。ビタミンUは熱に弱いので、胃を保護・修復したい人は、キャベツをできるだけ生で食べるほうがいいでしょう。ビタミンKはカルシウムが骨に沈着するのを助けたり、止血を促す作用があります。またビタミンCも豊富で、大き目の葉2、3枚で1日に必要な量が摂取できます。ワカメはヨウ素をはじめ、β-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムを含みます。ヌルヌルした〝ぬめり〟の正体はアルギン酸という水溶性の食物繊維で、他の食物中の塩分と結びついてその塩分を体外に排出する働きをします。そのため血圧の上昇を抑えることになるのです。

ヨウ素に含まれるアルギン酸には血中のコレステロールを減らす働きや、腸内細菌のバランスを整える働きもあるます。動脈硬化が招く成人病を防ぎ、腸から始まる老化を防ぐためにも、ワカメは積極的に摂りたい食品なのです。さらに、このアルギン酸は放射性のストロンチウムや重金属のカドミウムなどの有害物質を体外に排出する働きもあります。

この2つの食べ合わせをおすすめできないのはキャベツに含まれるチオオキサゾリジンという成分がワカメのヨウ素の吸収を阻害することです。

ヨウ素の吸収を高める栄養素はとくにありませんが、日本人は海藻や魚介類などヨウ素を多く含む食材を摂取しているので、欠乏はほとんどありません。

出典:寿命を延ばす食べ合わせ、縮める食べ合わせ

著者:白鳥早奈英

発行者:祥伝社

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